シーリング打ち替えと増し打ちは何が違う?長持ちする家のための必須知識
家を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
中でもシーリング(コーキング)の打ち替えは、建物の防水性と柔軟性を保ち、外壁のひび割れや剥がれのリスクを軽減する重要な作業です。
しかし、シーリングの劣化は目立ちにくく、適切なタイミングを見逃してしまいがちです。
そこで今回は、シーリングの打ち替えについて、その必要性やタイミング、方法などを解説していきます。
□シーリングの補修が必要となるタイミングとは?
シーリングは外壁材同士のすき間を埋め、雨風の浸入を防ぐ重要な役割を担っています。
また、地震による外壁材のズレを吸収し、建物の耐久性を保つ効果もあります。
しかし、シーリングも時間とともに劣化していくため、以下のような症状が見られたら補修が必要です。
*ひび割れの発生
シーリングの初期の劣化症状として、表面にひび割れが生じることがあります。
これは紫外線の影響で材料が硬化し、柔軟性が失われたことが原因です。
放置すると亀裂が深くなり、破断につながるため、早めの補修が大切です。
*肉やせや剥がれ
経年劣化によってシーリングの弾力性が失われると、やせ細った状態(肉やせ)や剥がれが発生します。
充填量の不足や接着性の低下も原因となります。
このままでは雨漏りのリスクが高まるため、速やかなメンテナンスが求められます。
*変色や汚れ
シーリングの表面に変色や汚れが目立つようになったら、材料の劣化が進行している証拠です。
美観の問題だけでなく、防水性能の低下にもつながるため、注意が必要です。
これらの症状を見逃さず、適切なタイミングでシーリングの打ち替えを行うことが、建物を長持ちさせるポイントとなります。
目安としては、ひび割れが見つかったら2~3年以内、肉やせや剥がれが確認されたらなるべく早めに補修するようにしましょう。
□シーリング打ち替えと増し打ちの違い
シーリングの補修方法には、打ち替えと増し打ちの2種類があります。
しかし、その効果には大きな違いがあるため、注意が必要です。
1:打ち替えの特徴と利点
打ち替えとは、古いシーリング材を完全に取り除き、新しい材料で補修する方法です。
隙間をしっかりと埋められるため、防水性と柔軟性を確実に回復できます。
耐用年数は7~15年程度と長く、建物の耐久性向上に大きく貢献します。
2:増し打ちの特徴と注意点
一方、増し打ちは既存のシーリングの上から新しい材料を重ねる方法です。
施工時間と費用を抑えられる利点がありますが、劣化した下地を修復できないため、効果は限定的です。
また、内側や裏側の損傷に気づきにくいというデメリットもあります。
増し打ちしたシーリングの耐用年数は2~5年程度と短く、根本的な解決にはなりません。
3:打ち替えを基本とした補修計画を
以上の点から、シーリングの補修には打ち替えを基本とすることが望ましいでしょう。
増し打ちは一時的な対症療法に過ぎず、長期的な建物の保護には適しません。
費用と手間は多少かかりますが、打ち替えによって建物の価値を守り、安心して暮らせる住まいを維持できるのです。
□まとめ
シーリングの打ち替えは、建物の防水性と柔軟性を保ち、長期的な耐久性を高めるために欠かせない作業です。
ひび割れや肉やせ、剥がれといった劣化症状を見逃さず、適切なタイミングで補修することが大切です。
定期的な点検とメンテナンスを怠らず、シーリングの打ち替えを計画的に行うことが、住まいの価値を守り、安心で快適な生活を送るための鍵となるでしょう。