建物の塗り替えやリフォームなんてまだまだ先と思っているあなた。
- 知らないあいだに雨が壁の裏に回ってカビだらけになっているとしたら。
- ヒビから入った水分が屋台骨を蝕んでいるとしたら。
- 隙間から知らずの間に虫が入り込んでいるとしたら。
単なる見栄えだけでなく、塗り替えには大切な役目があります。
それは、大切で愛着のある建物を、丈夫に長持ちさせ、資産価値守ること。
外壁の種類別に塗り替え時期のサインと、ポイントを知っておきましょう。
モルタル壁作り
モルタル壁はバブル期以前に建てられた一般的な家で多くみられます。
セメントと砂を混ぜ合わせたものを壁面に塗り固めて作られていて、質感や形など自由度が高いため、仕上げ面にはさまざまなバリエーションが存在します。
凹凸の激しい外壁模様の場合は、塗料の量と塗りに必要な工数が多くなりがちですが、逆に凹凸が少なくツルツルした手触りの外壁の場合は、比較的少なめに抑えられます。
材質上、壁面にひび割れが発生しやすく、その量や場所によっても、補修に必要な工数が変化しがちです。
窓周りは、アルミサッシですと塗装する必要がほとんどないため費用が抑えられますが、築年数によっては木部や鉄部が多く使われており、細かな塗装が必要になってきます。
塗り替えの目安
- 壁にヒビ、汚れ、変色が目立つ。
- カビやコケが付着が目立つ。
- 触ると白い粉を吹いている(チョーキング)
- 一部が剥離し始めている。木製部分に腐食したようなところがある。塗装されている場合、ヒビや剥がれがある。
- 鉄部にサビが浮いてきている。塗装部分が剥がれはじめている。
- 建築、前回塗り替えより10年以上経過している
費用でのポイント
壁や各部の劣化状態により金額に変動が出やすいです。
とくに木部と鉄部が多い構造の場合、その部分に専用の塗料を用意する必要があることと、塗りに必要な工数が増えるため、費用は高めになりがちです。
サイディング外壁の家
外壁にボード状の壁材が張られ、目地やアルミサッシの窓周りの継ぎ目が「シーリング」というゴム状のものでふさがれているなら、これです。最近ではモルタル壁の住宅と同じくらい一般的になりました。
主流の窯業系サイディング材の場合、出始めた当時はメンテナンスが必要ないとい言う触れ込みだったようですし、最近でも寿命は30年以上と言われています。でも現実的にはそれ以前に、継ぎ目のシーリングが紫外線などの影響でひび割れたり固化して隙間ができたりで、水分が侵入しはじめます。
築10年ほどの場合、ほぼすべての家にこのシーリング部分の劣化が見受けられます。油断は禁物です。
塗り替えの目安
- サイディングボードの継ぎ目の充填剤にヒビや割れ。
- 全体の変色、カビや汚れによる外観の変化が目立つ。
- 壁に触ると白い粉が付く(チョーキング)
- サイディングボード自体に一部欠損、割れが出ている。
- 木製部分に腐食したようなところがある。塗装されている場合、ヒビや剥がれがある。
- 鉄部にサビが浮いてきている。塗装部分が剥がれはじめている。
- 建築、前回メンテナンスより10年以上経過している
費用でのポイント
コーキング(シーリング)を交換すると、その分の費用がかかってきます。これはモルタル外壁にはない費用です。壁全体で使う塗料の量はモルタル壁の家より少ない場合が多いです。
また、比較的新しい家が多いこともあり、木製部分や金属部分には重篤な劣化が出ている例は少ないのですが、デザイン的な露出部分や雨風が当たりやすい場所では、塗り直しが必要になる場合があります。
トタンの外壁
主に工場や事務所・店舗などで使用されています。
トタンには経年劣化でサビが発生します。また釘が浮いていることで裏に水分が回っている場合があります。
劣化が激しい場合、サビが進行して穴が開いてしまったり、木製部分が腐食していることがあります。
塗り替えの目安
- 全体にうっすらサビが浮いている。塗装(プリント)が剥がれている。
- 壁面の留め具や末端部分に錆びが見える。
- 木製部分に腐食したようなところがある。塗装されている場合、ヒビや剥がれがある。
- 鉄部にサビが浮いてきている。塗装部分が剥がれはじめている。
- 建築、前回塗り替えより10年以上経過している
費用でのポイント
トタン自体の寿命との兼ね合いもありますので、どのぐらい持たせるかで使用塗料やさび止めの使用を考慮する必要があります。これにより材料費は変化します。ただ、塗りに必要な塗料の量は少なめですみます。
波打っているものなど、ローラーで塗装ができない外壁も少なくありませんので、その場合はハケ塗りをメインとした塗装となり、工数がかかるものになります。
板張り(下見板・羽目板)
「羽目板」や「下見板」といった木製の板張りの外壁は、古い家屋やデザインにこだわった建物でよく使われています。
モルタルやサイディング壁に比べて、壁材の収縮・膨張などで塗装が剥がれやすくなるため、木部専用塗料を使用しての塗装となるうえ、合わせて研磨等の下地調整が全面的に必要となるのが特徴です。
場所により塗料の吸い込み方が異なるので塗りむらが出やすいですし、下処理ができていないと塗り替え後早ければ2年で剥がれてしまいます。
塗り替えは腕のいい職人に依頼したいところです。
塗り替えの目安
- 壁板の一部に腐食や反りかえりがある。
- 塗装表面にひび、あるいは塗料の剥がれがある。
- 鉄部にサビが浮いてきている。塗装部分が剥がれはじめている。
- 建築、前回塗り替えより5年以上経過している。
費用でのポイント
研磨などの下地調整はどうしても工数が必要となります。
ローラーで塗装ができない物件は、ハケ塗りがメインとなり、やはり工数がかかってしまいます。
塗料の量は多くを必要としませんので、材料費は低めとなります