縁切りが必要な屋根と必要ではない屋根の違いを解説

自宅の屋根を長持ちさせ、その美しさを保つためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
スレート屋根の塗装は、縁切りの有無が長期的な保護と機能性に大きく影響します。
そこで今回は縁切りの必要性やその適用条件と縁切り工法について見ていきましょう。

□縁切りが必要になる屋根の特徴

屋根の塗装における縁切りの必要性は、その屋根の特徴によって異なります。
その中でもスレート屋根には注意が必要です。
家の屋根に縁切りが必要かどうかは、以下の3つのポイントで判断しましょう。

*屋根の素材

スレート屋根はセメントを薄い板状に成形した瓦であり、その特性上、塗装時に重なり部分のすき間が塗料で潰れやすくなっています。
縁切りを行うことで塗料の塗り重ねによる隙間の塞がりを防ぎ、雨水の流れを確保できるでしょう。

*屋根の勾配

屋根の勾配が緩やかな場合は雨水が屋根に長く留まりやすく、このため縁切りは非常に重要になります。

一方、勾配が急であれば雨水はスムーズに流れ落ちるため、縁切りの必要性は低くなります。

*塗装の方法

塗装方法によっても縁切りの必要性は変わります。
ローラー塗装では、重なり部分に塗料が厚く乗ってしまい、隙間を塞ぐリスクがあります。

一方、エアーレスによる吹き付け塗装では薄く均一な塗りが可能なため、縁切りの必要性が低減します。

□縁切りの工法2種類

屋根塗装の縁切りには、従来の縁切り工法とタスペーサー工法の2種類があります。
それぞれの方法と特徴を理解し、自宅の屋根に最適な工法を選びましょう。

1:従来の縁切り工法

従来の縁切り方法では物理的に屋根材料の縁を切り取る方法で、これはスレート瓦や重ね合わせ式の屋根材料に向いています。
この方法は水の通り道を確保する効果があるものの、手間がかかる上、作業の精度が求められます。

2:タスペーサー工法

これはスレート瓦の重ね目に特殊なスペーサーを挿入し、隙間を確保する方法です。
従来の縁切り工法と比べて効率的で屋根材料へのダメージが少ないというメリットがあります。

しかし、適切なタスペーサーを選び、適切に配置することが求められますよ。

□まとめ

縁切りは、特にスレート屋根を持つ家にとって重要な作業です。
屋根の素材、勾配、塗装方法を踏まえた上で、必要ならば最適な縁切り工法を選びましょう。

それにより、屋根の長期的な保護と機能性を高められます。
自宅の屋根に適切なメンテナンスを施し、快適な住まいを長く保ちましょう。